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2010/01/09(Sat)

美少女ゲームのローカライズ(英訳)について、開発者インタビューの和訳と解説 

Siliconeraというサイトに、英語版美少女ゲームパブリッシャーMangaGamerのスタッフで、ローカライズとフォーラムの管理者を担当しているEvoSpace氏へのインタビュー記事が掲載されています。今回は主に美少女ゲームのローカライズ事業についてとビジネスの展望といった興味深い内容でしたので(続きは後日掲載予定)、翻訳に加え、今までこのサイトではあまり触れてこなかったMangaGamerについての情報の補足も兼ねて、解説を交えて紹介してみます。

(元記事:Siliconera Sounds Off: Talking Localization And Expansion With MangaGamer
※なお、長文インタビューということで、全体的にやや適当な意訳となっています。予めご了承ください。

Ishaan:インタビュアー
EvoSpace:MangaGamerのスタッフ

Ishaan: To begin with, could you give me some insight as to how MangaGamer is set up in terms of projects? How many people do you usually assign to a single project?
まず初めに、MangaGamerにおけるプロジェクトのサイクルと、1プロジェクト毎の人員について教えてください。

EvoSpace: Currently, we have two lines of localization set up, working concurrently. They each consist of translators, scripters, editors, proofreaders, and testers. We have one or several translators depending on the project size. The scripters are the ones who convert the code of the original game to the visual novel engine we are using. Both of these first halves of the projects take about a month working concurrently, and then we get to the second half which is the testing and quality-checking stage.
Obviously, some people are required to multi-task and longer games take a longer time. There was a lot to organize in the beginning, but now, things are running smoother than ever before, including hiring translators who are knowledgeable about these visual novels.
現在、2つの(開発)ラインでローカライズを行っています。ラインにはそれぞれ、翻訳者、スクリプター、編集者、校正係、テスターが居ます。翻訳者はプロジェクトの規模によって1~数人となります。スクリプターはオリジナルのゲームのコードを、我々の使っているヴィジュアルノベル用エンジンに変換する作業を行います。両者は、プロジェクトの前半、およそ1ヵ月間並行して作業を進めます。後半はテストと品質の確認を行います。
当然、マルチタスクでの作業を求められる人も居ますし、長いゲームはより多くの時間がかかります。最初こそいきあたりばったりでしたが、ヴィジュアルノベルに詳しい翻訳者を雇用した事もあり、今は大分スムーズになりました。

いきなり衝撃の事実が発覚します。「ヴィジュアルノベルに詳しい翻訳者を雇用した」ということは、最初は詳しい人が居なかったということでしょうか…MangaGamerの初期作品は(特に)翻訳が酷かったようなのですが、なんとなくその理由が解ったような…

Ishaan: So, you don’t recycle the engine the original developer used. Instead, you bring the assets into your own custom engine? Is it the same engine across all your games?
つまり、オリジナルのエンジンは使わず、自前のカスタムしたエンジンを使っていると。全てのゲームで同じものですか?

EvoSpace: Yes. We use a system based on the BGI (Buriko General Interpreter) engine for all our games so far. This is for smoother gameplay and maximum compatibility in the English PC environment.
はい。BGI(Buriko General Interpreter)ベースのエンジンを全てのゲームで使用しています。スムーズなプレイと、英語のPC環境との互換性のためです。

BGIは日本製のゲームエンジンであり、英語環境云々という発言の根拠は不明です。(日本のメーカーでは、MangaGamerが一部作品の英語版をリリースしているOVERDRIVEの他、オーガストやLump of Sugar等がこのエンジンを使用しています。)MangaGamerがコード変換というリスクを冒してまで同一のエンジンを使用するのはむしろ、ダウンロード販売でのプロテクトを同じ形式で提供する必要があるためとも考えられます。

Ishaan: Now, MangaGamer is an entirely solo operation, unlike JAST USA, Peach Princess and G-Collections. How’s that working out for you? Do you think there’s an advantage to being your own entity, or would you rather have the cross-promotion those companies do?
PeachPrincessにG-Collectionsという2つのブランドを擁するJAST USAとは違い、今のところ、MangaGamerは単体で事業を行っていますよね。それはどのような結果をもたらしていますでしょうか?全てを自社で行っていることは利点だと思いますか?それとも、JAST USAのような戦略を採りたいと考えていますか?

EvoSpace: I would say we are doing fine for now just under one single name. Since the English visual novel market isn’t as diverse as in Japan, we are getting fairly good exposure to the core consumer directly. But in order to reach out to the more casual fans, I think it is necessary to go over the border of just this market and do promotions with sites of bigger / wider areas of interests.
我々は単体のブランドでうまくやっています。英語版ヴィジュアルノベルの市場は日本のそれほど多様ではないので、我々はコアとなる消費者に直接、公平に接するようにしています。ただ、より多くのファンに接するため、ヴィジュアルノベル専業という境界を踏み越え、より広い関連分野でプロモーション活動を行う必要があると考えています。

MangaGamerは現在、いわゆる純愛モノ・ダーク系を含む美少女ゲームと、全年齢対象である『ひぐらしのなく頃に』を扱っており、さらにはマンガ事業まで展開しようとしています。ちなみにJAST USAは大まかに言って、日本のD.O.系列の作品をG-Collectionsが、PeachPrincessがその他の作品をリリースしています。

Ishaan: By "sites of wider areas of interest," do you mean more mainstream game sites or are you thinking beyond those to try and attract the attention of an even more mainstream consumer? I mean, I hate to be this blunt, but "sex sells," so there’s definitely a market outside of our niche. And even without taking that factor into consideration, these are called visual "novels" in the end.
「より広い関連分野」というのは、より主流の作品を扱うという意味でしょうか?もしくは、そういった作品の消費者を顧客に取り込もうと考えているということでしょうか?
私がお聞きしたいのはつまり、失礼な言い方ではありますが、「アダルト商品」というのは、それだけでゲーム市場のニッチな分野からも外れてしまっていますよね?という事です。
さらに、それを差し置いたとしても、つまるところそれらはビジュアル「ノベル」に過ぎない訳ですし。


EvoSpace: Maybe not towards the crowd who only plays western games, but I believe those people who play Japanese RPGs, watch animes, and/or read manga are all potential customers.
Yes, "sex sells", and I think it is an easy way to appeal to first timers, but it could be or not be the main appeal of the game itself. I’m hoping more people will grow to like other elements such as the stories, characters, and music of these titles.
おそらく、我々が欧米の作品しかプレイしない集団に向かっていくことはないでしょうが、JRPGをプレイする人、アニメを観る人そして(もしくは)漫画を読む人はすべて我々の潜在的な顧客であると信じています。
そしてそう、「アダルト商品」。これは新規顧客へのアピールを容易にすると私は考えていますが、作品のメインのアピールポイントとなっているかどうかはその作品次第です。私は、より多くの人々がこれらのタイトルのストーリーやキャラクター、音楽といった他の要素を好きになってくれるよう望んでいます。


Ishaan: So, the "casual-niche." People that are into Japanese entertainment media in general, but don’t actively seek out information on all the different kinds of products. Has there been any discussion as to how you’d go about that? Attending anime conventions is something you already do, for example.
ところで、「カジュアルなニッチ」とでも言いましょうか。日本メディアのエンターテインメントに熱中している人々でも、異なる種類の作品についてはなかなか自分から情報を得ようとはしません。あなた方のあいだで、この状況についてどうしたら良いかというような議論はありましたでしょうか?コンベンションへの出展は、既に実践済の一例だと思いますが。

"casual-niche."は綺麗に訳せないのですが、「(例えば日本のアニメは)万人向け(casual)だけれども、異国(日本)のものであるためニッチな存在と見做されている」といったニュアンスでしょうか。

EvoSpace: Since it takes a lot of effort to attend conventions throughout the world, we are starting from something subtle but specific like getting advertisement space on the pamphlet of the conventions. If there is someone from a similar industry having an exhibit, we would like to ask them to pass out free demo discs of our game.
世界中のコンベンションに出展するのは非常に骨が折れるので、例えばコンベンションのパンフレットに広告を入れるなど、ちょっとした、それでいて判り易いやり方を始めています。もし関連業界で催し物があれば、我々は作品の無料デモディスク配布の許可を求めたいと思っています。

昨年はMangaGamer、JAST USA共に、北米最大のアニメコンベンションであるAnimeExpoに出展しています。一方、台湾の美少女ゲームパブリッシャーであるFuture-Digiも、台湾でののイベント(どちらかというと同人誌即売会)に出展しています。MangaGamerは日本からゲスト(tororo団長や所属アーティスト)を呼ぶなど、イベント出展に積極的なイメージだったのですが…やはり色々大変なようですね。

Ishaan: What about getting in touch with anime publishers so you can arrange for pamphlets or free demos with their DVDs or maybe booking advertising space on fansub websites?
アニメパブリッシャーとコンタクトをとって、パンフレットの広告やDVDにフリーデモを入れるとか、ファンサブサイトに宣伝を掲載するのも面白いと思いますが?

EvoSpace: Yes, I’m hoping we can definitely work with anime publishers. Maybe start from something small like a simple link exchange.
The fansub and fan-translation crowds are another group we would like to closely work with. If there is a translator who would like to work on our team, we could even offer them a position.
ええ、もちろん我々はアニメパブリッシャーと共に仕事ができることを願っています。おそらく、相互リンクのような小さな試みから始まると思いますが。
ファンサブグループは、違った形で共に仕事をしたいと考えています。もし我々のチームで働きたいという翻訳者の方がいましたら、ご一報ください。

ファンサブグループのサイトに広告を出すなんて言ったら、流石に日本のメーカーが黙ってはいないでしょう。
ただ、英語版美少女ゲームパブリッシャーとファンサブグループの関係は、パブリッシャーの側から協力を持ちかけるなど、昨年あたりから急激に変わりつつあります。

以上、かなりの長文記事となってしまいましたが、いかがでしょうか?
筆者自身は、MangaGamerの作品にはあまり触れたことはないのですが、(翻訳の質等の問題はともかく、)日本のメーカーと連携して着実に人気タイトルを揃えてくるあたり、ビジネスが上手だなぁという印象です。

ただ、それでも「マイナーの中のマイナー」分野には変わりないので、インタビュー中にあるように、アニメファン等新しい層へのプロモーションが課題といったところでしょうか。
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[ 2010/01/09 ] 美少女ゲーム(英語) | TB(0) | COMMENTs(8)| | はてなブックマーク - 美少女ゲームのローカライズ(英訳)について、開発者インタビューの和訳と解説





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